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Don't worry, be happy!

つれづれなるままに日々のよしなしごとを綴っています

大山徳広ければ、禽獣争い帰し、薬毒雑わり生ず

空海 心の言葉】

 大山徳(だいせんとく)広ければ、禽獣(きんじゅう)争い帰し、薬毒(やくどく)雑(まじ)わり生(しょう)ず。
(「秘蔵宝鑰」より)

【意訳】
 大自然の中では動物たちが争い、薬草も毒草も一緒になって生えている。

【解説】
 この世の中では、動物たちが生きるために争ったりしているし、薬草も毒草も区別なく生息していて、そうしたものをこの世は認めて許しています。

このように、この世はこだわりなくすべてのものを許してくれていて、私たちはそうした広い心を持った世の中で許されて生かされているのです。

このように自分も、自分以外のものも許されているのに、なぜ自分自身はありのままの今の姿を許せないのでしょうか。

 「こうあるべき」というこだわりは、人間の個性をつくりだしますが、同時に苦しみのもとにもなります。

この世の苦しみは「自分の思い通りにならない」ことから生じます。

「こうしたい」、「こうなりたい」という自分の思いがあるのに、実際にそうなっていない現実があり、そのギャップに苦しむわけです。

 こだわりは人を動かす原動力になりますが、行き過ぎると「そうならなかったら自分はダメ」「自分は幸せではない」となってしまい、自分の幸せのハードルを自ら上げてしまいます。

これは、執着なのです。そして、強い執着は自然の流れに逆らって前に進もうとするので、せっかくうまくいっている流れを壊してしまうことがあります。

向上心はとても大切なことですし、目標に向かって突き進むことも素晴らしいことです。
 しかし、そのことに縛られすぎて本来の自分らしさを見失っていないか、単なる執着になっていないか、常に自分自身を見つめ続けていく必要があると思います。

「こうなることが私の幸せ」と思い込んでいる自分の枠組みの外に、本当の幸せがあったりするのです。

向上心とこだわりを持ちながらも、そのことに執着をしない。

そうした心で取り組んだとき、自分の望んだものが自然と向こうからやってくるのです。

 

 

追記:備忘録。

過去に心に響いた言葉をメモで置いておく癖があるのですが、これもその一つ。

こうして転記することを目的とはしていなかったので、著者は不明なままです。

ただ、空海のこの言葉は有名で、検索してみるとたくさんの記事が出てきます。

句の最後が「生ず」ではなく「生う(おう)」となっているものもあります。